J-PARC delivers 2.0e21 protons on target

On March 2, the number of protons delivered to the neutrino target of the T2K experiment by the J-PARC accelerator reached an important milestone: 2×10^21 accumulated since January 2010.  Many thanks are due to the J-PARC directorate and the staff members for their outstanding work to make this possible ! The protons are produced by the J-PARC…

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Koichiro Nishikawa wins 2016 Pontecorvo Prize

Professor Koichiro Nishikawa has been awarded the Bruno Pontecorvo Prize for the year 2016. The Bruno Pontecorvo Prize is awarded by the Joint Institute for Nuclear Research (JINR) in Dubna, Russia, for elementary particle physics. The prize commemorates Prof. Bruno Pontecorvo, a pioneering neutrino physicist who worked for many decades at JINR. The Prize was…

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T2K前置ニュートリノ検出器アップグレードプロジェクト開始

On February 11, 2017, the T2K Collaboration launched its Near Detector Upgrade project. The upgrade is targeted at reducing systematic errors in T2K’s search for CP violation in the neutrino sector. The current conceptual design will be developed into a technical design, leading to a full proposal, by the end of 2017. The collaboration aims…

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T2K 実験、CP 対称性の破れの探索に関する新たな結果をICHEP国際会議で発表

ニュートリノの「CP 対称性の破れ」の解明に第一歩を踏み出す T2K 実験(東海-神岡間長基線ニュートリノ振動実験)国際共同研究グループ(以下、T2K コラボレーション)は、反ミュー型ニュートリノから反電子型ニュートリノへのニュートリノ振動について、2014 年の実験開始から取得した観測実験データをまとめ、同研究グループが 2010 年から 2013 年までの実験で明らかにしたミュー型ニュートリノから電子型ニュートリノへのニュートリノ振動の結果と比較し、ニュートリノと反ニュートリノで、電子型ニュートリノへの出現が同じ頻度では起きない、すなわち、「CP 対称性の破れ」があることを示唆する結果を得ました。 「ニュートリノと反ニュートリノのニュートリノ振動の確率が違う」ということが事実であれば、万物を構成する素粒子の仲間であるクォークでは破れている「CP 対称性」がニュートリノでも破れていることを意味するともに、「宇宙の始まりであるビッグバンで物質と反物質が同数生成されたのに、現在の宇宙には反物質はほとんど存在していない」という宇宙の根源的な謎を解明するうえで大きなヒントとなります。 T2K実験では、2014年より反ニュートリノを生成する実験を開始し、2016年5月までに、ニュートリノデータとほぼ同量の反ニュートリノデータを得ることができ、これまでの全データの解析の最新結果を、8月7日(日本時間)に米国シカゴで開催される高エネルギー物理学に関する国際会議(ICHEP)にて公表するに至りました。 T2K 実験が 2010 年から 2016 年 5 月までのニュートリノビームを生成した期間のデータから、「CP 対称性の破れがない」と仮定した場合の電子型ニュートリノの予想出現回数を求めたところ、約 24 個と推定されました。それに対して、スーパーカミオカンデ検出器で実際に観測された電子型ニュートリノは 32 個と、予測値と異なっていました。 また、T2K 実験が 2014 年から 2016 年 5 月までの反ニュートリノビームを生成した期間に、「CP 対称性の破れがない」と仮定した場合の反電子型ニュートリノの予想出現数は、約 7 個でした。それに対して、スーパーカミオカンデ検出器での実際の観測では、4 個の反電子型ニュートリノしか観測されませんでした。 これらの観測数と予想値の違いに加えて、ニュートリノ振動を起こさなかったミュー型ニュートリノ・反ミュー型ニュートリノの観測数や、観測されたそれぞれのニュートリノ・反ニュートリノのもつエネルギーなどの測定値も考慮し、総合的な解析を行いました。また、原子炉ニュートリノ実験の結果も用いて推定した「CP対称性の破れがない」と仮定した場合の予想と比較し、電子型ニュートリノ出現現象に現れた「CP対称性の破れ」の大きさを測定しました。その結果、「ニュートリノと反ニュートリノで電子型ニュートリノ出現が同じ頻度で起きる」という仮説は90%の確率で棄却されました。すなわち、「ニュートリノと反ニュートリノで電子型ニュートリノ出現が同じ頻度では起きない可能性が高く、CP対称性の破れがある」ということが示唆されました。 ただし、90%という信頼度は、実験の最終結果として結論づけるには統計的に十分な有意水準とは言えません。今後データ量を増やしての検証を要しますが、ニュートリノと反ニュートリノが違う性質を持つ可能性を示唆する興味深い結果です。 現時点でのデータ収集量は、T2Kコラボレーションの当初の実験提案の約2割に到達した所です。今後、J-PARCの加速器やニュートリノビームラインの性能向上によるニュートリノビームの強度増強をはかり、より高い有意水準での「CP対称性の破れ」の検証を行なう予定です。また、T2Kコラボレーションは、J-PARCのさらなる性能向上の可能性を考慮して当初の実験提案の2.5倍のデータ(これまで取得したデータの約13倍)を収集し、さらにデータ解析の改良をすることで、ニュートリノにおける「CP対称性の破れ」を3σ(=有意水準99.7% )の信頼度で検証することを目指しています。さらに、米国NOvA実験との相互検証も可能であり、今後、数年程度のタイムスケールでニュートリノ振動の新たな知見が得られると期待できます。

T2K実験がCP対称性の破れの探索結果を公表

新たなデータでニュートリノと反ニュートリノのニュートリノ振動確率の違いを探る T2K実験グループは、ロンドンで開かれた第27回ニュートリノ国際会議(NEUTRINO2016)において、(反)ニュートリノ振動に関する新しい結果を公表しました。新たなデータでも、大気ニュートリノ振動に対応する混合角(θ23)による混合が最大であり、CP非対称性をおこす位相(δCP)が非対称性最大の値(-π/2)に近く、ニュートリノの質量順序が通常順序である場合に最も適合するという、以前の結果と同じ傾向が見られています。 前回結果を発表した2015年時点に比べ、反ニュートリノのデータ量をほぼ倍に増やしたことに加え、ニュートリノと反ニュートリノのデータを同時に使う新たな手法での解析を行いました(図1)。ニュートリノにCP対称性の破れがあれば、ニュートリノと反ニュートリノでニュートリノ振動の確率が異なることが予想されます。今回のデータで観測された反電子ニュートリノ出現の事象率は、電子ニュートリノ出現の事象率からCP対称性が保存されていると仮定して予想したものよりも小さいものでした。 原子炉ニュートリノ実験による反電子ニュートリノ消失測定の結果と組み合わせて、3世代のニュートリノ振動の枠組みで解析を行った場合、T2Kの現在のデータ量でのδCP の90%信頼区間の大きさは、真のδCP の値と質量順序によりますが、2π(つまり可能なδCPの値がすべて含まれる)から1π程度と見積もられていました。実際のデータを解析した結果、δCPの値の90%信頼区間は図2に示すように通常質量順序(逆質量順序)に対して[–3.02; –0.49] ([–1.87 ; –0.98])となりました。CP対称性が保存されるδCPの値(δCP=0とδCP=π)は、ふたつともこの区間の外にあります。 今回の新しい結果は、標的に照射される陽子数(protons on target, POT)としてT2K実験に対し現在認められている量の約20%にあたる、1.44×1021POTに相当するデータをもとにしたものです。今後、J-PARCメインリングとニュートリノビームラインの増強によりビーム強度を向上させ、2021年ごろには現在の目標である7.8×1021 POTに到達する予定です。さらに、T2K実験グループは、次世代の実験が開始される予定の2025年ごろまでに20×1021 POTを収集し、CP対称性の破れを3σの感度で発見することを目指して実験を延長することを提案しています。 CP対称性の破れは、宇宙初期のビッグバンの際には物質と反物質が等量作られたはずなのに現在の宇宙にはなぜ物質しか残っていないのか、という現代の科学で最も深遠な問いの一つに対する答えの鍵を握っているかもしれません。今回のT2K実験の新しい結果は、まだ統計的に有意ではないとはいえ、我々の宇宙に対する理解にニュートリノがこれからも新たなブレークスルーをもたらし続けてくれることを期待させます。 新しいT2K実験の結果に関する詳細や今後の実験の見通しに関しては、ニュートリノ2016国際会議での発表資料(英語)をご覧ください。

T2K実験

T2K(Tokai to Kamioka)実験は、ニュートリノが飛行中どのように変化するか(ニュートリノ振動)を研究するために設計されたニュートリノ振動実験です。茨城県那珂郡東海村にあるJ-PARC(大強度陽子加速器施設)内で、大強度のミューニュートリノが生成され、295km離れた岐阜県飛騨市神岡町の山中にあるニュートリノ検出器スーパーカミオカンデに打ち込まれます。ニュートリノビームはJ-PARCのサイトを離れる前に前置検出器(ND280)で一度測定され、そして再びスーパーカミオカンデで強度と世代の変化を測定することによって、ニュートリノの性質を調べます。

Map showing J-PARC and Super-K

T2Kにおける科学的目的

  • ミューニュートリノから電子ニュートリノへ変化する出現事象の発見 (未知の混合角θ13の確認)
  • ミューニュートリノ消失の振動パラメータの精密測定
  • 中性カレント事象観測によるミューオンニュートリノ欠損におけるステライル成分の探索
  • ニュートリノ-原子核反応断面積の高精度測定に対する世界をリードする貢献