ミューニュートリノが電子ニュートリノへ転換することを決定的に示す論文をT2K実験グループが発表

12月 3, 2013

T2K国際共同実験グループは、高純度のミューニュートリノビームがJ-PARC加速器施設からスーパーカミオカンデ地下ニュートリノ検出器までの295kmの距離を飛行する間に、電子ニュートリノが出現することを確実に観測したことを報告する論文を発表しました。もしこのタイプの振動現象が無かった場合に期待される事象数4.92±0.55に対し、実際には電子ニュートリノ事象が28回観測されました。この結果はニュートリノ振動が無いという仮定を7.3σの統計的有意性をもって棄却します。つまり、もし純粋にバックグラウンドのみで今回観測されたような多くの事象を観測するとすれば、その確率は0.00000000001よりも小さいということになります。したがって、T2K実験グループが発表した新しい論文は、ミューニュートリノビーム中に電子ニュートリノが出現する事象の存在を決定的に確立しました。このニュートリノ振動現象を記述するパラメーターに対して、T2K実験は δCP=0 (詳しい情報はニュートリノQ&Aをご覧ください。) を仮定した場合、sin2(2θ13) のベストフィット値として、質量階層状態が“順階層”の場合 0.140+0.038-0.032、“逆階層”の場合 0.170+0.045-0.037 を報告しました。今回発表された結果は、2010年1月から2013年5月までに取られたデータを解析して得られました。この間にJ-PARCの陽子ビーム強度は着実に向上し、パルス当たりの陽子数が1.2×1014個という世界記録を伴い220kWの連続運転を達成しました。